アンサンブル青葉
Member’s Voice Bbcknumber 6
第81〜111回 |
ピックと弦 |
校歌(その1・その2) |
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第81回 ピックと弦 平成24年5月26日 マンドリンを奏でるとき、大切なものがピックと弦です。 初めてマンドリンに触った時、マンドリンのE線が細くスルドく、指を切るんじゃないか、あるいはG線は太くぶっとく、とても押さえられないんじゃないかと思っていました。 のちセロを触った時、弦がさらに太いこと!まるでミミズのように感じられたものでした。 さて、筆者がこのように初々しくマンドリンと出会った頃は、弦はマキシマの赤と決まっていました(というか、大学の近所の楽器屋では、それしか扱っていないかった…)。 以来ン年間、ずっとマキシマ(現オプティマ)を使っています。 ところで専門店に行くと、同じマキシマでも黒があったり、他のメーカーのものがあったりします。違うメーカーの弦を使った方に聞くと、弾いた時の感覚が違うといいます。弾く感覚は大切ですから、今度試してみようと思っています。 さて、ピックです。 学生時代はピックといえばもちろんべっ甲のものでした。当時はマンドリン・ドラ・セロ用に3種類ありました。店でたくさんのピックを並べて、なるべく形が整い、厚くも薄くもなく、反りもなく、硬すぎず柔らかすぎないものを慎重に選んだものです。 当時はナイロン製のピックなどなく、またたまに見かけたとしても、形状・硬度などでどうしてもべっ甲のそれにはかなわなかったものです。 そのべっ甲、ウミガメが保護の対象となったからではないでしょうが希少・高騰となりましたね。学生時代に比べてやや小ぶり、厚みも薄くなったように思えます。また、種類もマンドリン用とマンドラ・セロ用の2種類となってしまいました。 ところで知人からD社製ナイロン製ピックの存在を教えていただきました。 もとはギター用で、厚さも0.01mm単位で多数揃っています。形状はいわゆるギター用よりやや細身、マンドリン用に近い形状です。ドラ・マンドリンならばもう少し詰めたいところですが、セロならばそのままOKでしょう。 試してみたところ思いの外調子が良く、びっくりです。 まず指にフィットし、あまり滑りません。弦とピックがあたるときのきしみ音が出にくく、ストレスなく演奏に集中できます。かといって昔のセルロイド製ピックを使った時のようなふにゃっとした感覚もありませんでした。 3種類の厚さを試したのですが、案に相違して薄い方が鋭い、硬い感じの音が出ることに気付いたのも拾いものです。例えば曲想によってピックを持ち替える…なんてことができるかもしれません。そうしたら、表現の幅がより一層広がることでしょう。 耐久性などはまだわかりませんが、ちょっと楽しみな買い物でした。
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第82回 鉄腕アトム 平成24年6月2日 朝日新聞の土曜別刷り「be」は毎週音楽ネタを取り上げています。今週は名曲「鉄腕アトム」にまつわるお話でした。 「鉄腕アトム」…♪空を越えて ラララ 星のかなた…♪とたちまちメロディーが浮かんできます。多分、ある年齢層以上の方はソラで歌えるんじゃないでしょうか。 さて、高井達雄さんが電車の中で、しかも僅か15分ほどで作曲した(何分切羽詰まった事情があったからですが、詳細は新聞をご覧ください。)この曲、原作者手塚治虫さんはイチオシなのに、スポンサーやテレビ局関係者には評判が悪かったといいます。 なぜかというと、「半音や拍をずらして刻むシンコペーションがあって子どもには難しい」と思われたとか。 ? 私たちは子供の頃、そんなに難しい曲を歌っていたのでしょうか? 手拍子をとりながら、ゆっくりと歌ってみます(皆さんもぜひお試しください)。 「あ〜なるほど」確かに半音進行、シンコペーションが随所にありますね。 でも、これらが曲全体に躍動感を与えていますよね。 そしてなにより、いいものはいい。 私たちは、テレビから流れるこの曲を全身で覚え全身で歌いました。 もしつまらない歌だったら、多分見向きもしなかったことでしょう。音楽の世界に老若男女は関係ありません。 さて鉄腕アトムのこの曲、当初は詩がなかったそうです。放映開始後しばらくして谷川俊太郎さんが作詞。子どもたちには絶大な人気を博し、今日に残る名曲になったのです。 |
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第83回 ケース様々 平成24年6月8日 街中や駅などで楽器ケースを提げた方を見かけます。ケースを見ると、その楽器は何だろう?と考えたりします。 一番よく見かけるのは、ギターでしょうか。 ギターにもいろいろありますが、マンドリンアンサンブルでも使われるクラッシックギター、スチール弦を使うフォークギター、エレキギターなどでケースが違いますね。大雑把に言うと、この順番で胴がスリムになっていくような気がします。 この間、駅でエレキギターを持っている初老の男性を見かけました。これから仲間と集まって練習するのでしょうか?今なお若々しいオヤジたちのバンドを想像して、嬉しくなりました。 さて、我がマンドリンのケースも様々です。 オーソドックスなのは木製。内装にビロード、外装には合成皮革が張ってあり、形状は殻付きの落花生のようなものから重厚なトランクタイプのものまで様々です。 丈夫なことこの上なく、クロス・楽譜・チューナー等を一緒に持ち運びできる優れモノですが、欠点は重いこと。 大切な楽器を守るものですから丈夫なのに越したことはありませんが、この重量、もう少し何とかならないかと思ってしまいます。 ただ最近ではアルミ製の軽くて丈夫なものが出ています。ケースの色も黒から赤白青…とカラフルに各色揃っています。こちらに替えればいいのですが、楽譜などは楽器によっては入らないかもしれません。どうしようか考え中です。 街中でマンドリンケースを持った方を見かけると、何となく親しみを感じます。 もっとも落花生型のケースに長ネギを入れていたノリスケ氏などは言語道断。 反対に真っ赤なアルミ製ケースに愛車も赤、という女性にあうと、とても可愛らしいものを感じます。 みなさんは、どんなケースをお使いですか?
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第84回 カセットテープ 平成24年6月16日 押入れを整理していたらカセットテープの山が出てきました。 おお。かつての音楽の友、貧乏学生には一番お手軽な記録メディアでした。 埃を払ってタイトルを見ると、まあ懐かしい。学生時代聞きまくっていた曲の数々でした。 まず各種管弦楽曲。 べートーヴエン5番・6番、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲からビゼー・グリーヴ・ラヴィエル等々。齋藤記念オーケストラの初演なんてものもあります。 学生の頃、管弦楽曲をマンドリン編曲しその初演をする、なんてことが流行っていました。そのためいろいろな曲を聞いていたのです。 また、当時の流行歌・アイドルのものなど。 最近再々婚した某有名歌手なども揃っています。 これらはみなレコードからコピーしたり、エア・チェックしたものです。 そして学生時代の演奏会のテープ。当時、演奏会客席には各学校の指揮者クラスがでーンとラジカセを構えていて、お互いの演奏を録音し合ったものです。中央大学42回定演、実践女子1982年…などとあります。 さらに自分の卒業演奏のフル録音のもの。 当時は演奏会記録としてはレコードを作成していました。CDと違ってレコードの収録時間は短く(1面40分位だったと思います)、演奏会でやった曲を全部収録することができません。そこで何曲かは泣く泣く削ったわけですが、こうしてテープには残っていたわけです。 こうした録音は貴重です。テープは伸びたり切れたりすることがあります。 早速デジタル化することにしました。一番手っ取り早いのは、カセットデッキのラインアウトからICレコーダーへ録音することです。手間はかかりますが、楽しみながらデジタル化を図ってやろうと思っています。
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第85回 記録メディア 平成24年6月23日 前回カセットテープのことを書きました。そういえばかつては盛んに使われていたけれど、今はもう…というものが沢山ありますね。ちょっと昔を懐かしんでみました。 レコード かつての音楽メディアの王様です。 楽器屋でLPレコードがずら〜りと並んでいる様は壮観でした。そのジャケットをパタパタめくりながら好みの曲・指揮者・楽団を探す楽しみ。 取扱いは面倒でした。盤面に手を触れてはいけない。傷つけるなんてもってのほか。直射日光が当たるところは避け、盤が曲がったり潰れたりしないよう、垂直に立てて保管しなければいけない…etc,etc。 それでも丁寧に盤の埃を払い、ターンテーブルに乗せ、針を静かに落とす時のわくわく感。一体どんな曲が流れてくるのだろう、との想いは、今のCDより遥かに大きなものでした。 ビデオ 映像メディアのメインでした。 録画方式にVHSとベータの2通りありました。どちらの方式にせよ、カセットはちょっとした辞書くらいの大きさがありましたから、保管場所はかさばりました。 やがてVHS方式が主流となり、ビデオカメラ用にはVHS−Cが発売されました。 Cタイプはアダプターを使って普通のVHSデッキに使えたのですが、録画時間が短くて20〜30分しかありませんでした。 ある演奏会の録画を頼まれたことがありますが、全部で1時間足らずのステージでカセットを3本も取替えねばならず、うまく取り換えられるかヒヤヒヤ…今のDVDやカード録画方式とでは、まさに隔世の感がありますね。 それでもその演奏会の画像は、貴重な映像として残っています。 記録メディアはレコード・テープから電子データへ、そしてネットへと移っています。 しかし今は使われなくなった記録方式に、貴重な演奏が残っている事は珍しくありません。 皆さんもご自宅にあるレコード・テープ・ビデオを、もう一度見てみませんか?
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第86回 クールビズ 平成24年6月30日 盛夏対策として行われているクールビズ。いまやすっかり定着した感があります。 「背広上下にノーネクタイ」という格好は、いささか間が抜けて見えることもありますが、夏場の暑いときに首筋を締めあげずに済むのは福音です。 さて、夏場にクールビズというか、スタイルを変えるので有名なのが、ボストン交響楽団です。 ボストン響といえば、1881年創設されたアメリカBig5のひとつ。フランス的な弦の響きを伝統とし、数々の著名な音楽家と共演したクラッシックの名門オーケストラです。 小澤征爾さんが長年に亘り音楽監督を務められましたことは、ご存じでしょう。 そのボストン響が、夏には「ボストン・ポップス・オーケストラ」に変身しています。 設立は1885年。もともとは夏のシーズン・オフに、音楽普及を目的として、ボストン響の編成を替えたものでした。ボストン響がクラッシック音楽専門なのに対し、軽音楽やポピュラー音楽を専門としています。 そしてボストン・ポップスといえば、アーサー・フィードラーでしょう。 フィードラーは1930年から実に半世紀にわたってボストン・ポップスの常任指揮者を務めました。彼の指導の下、ボストン・ポップスは知名度を上げていったのです。 そしてフィードラーのもう一つの功績は、アメリカを代表する作曲家、ルロイ・アンダーソン(代表曲:シンコペイティド・クロック、ワルツィング・キャット、そり滑り等)を見出したことでしょう。ボストン・ポップスはアンダーソン作品を多数初演しており、今でもその演奏で右に出るものはありません。 ボストン響とボストン・ポップス。 クールビズを遥か昔に先取りし、季節により鮮やかにスタイルを変え、それぞれに音楽の魅力を伝えてくれています。 |
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第87回 暑中見舞い 平成24年7月7日 今日は七夕。織姫と彦星の、年に一度の再会の時です。 それにあやかっているわけではないのですが、お世話になった方、ご無沙汰をしてしまった方への半年ぶりのご挨拶、暑中見舞いの準備を始めました。 風光明美な会津地方に赴任していたことがあり、その時写真入りポストカードを送ったのがきっかけです。もうかれこれ20年くらい続けていますが、そうすると、どうも楽しみにしていてくれる方もいらっしゃるようです。 おかげで今年はどの写真にしようかと、楽しい悩みが尽きません。 宛先は、悪筆にもかかわらず手書きです。万年筆を使い、相手の方の面影を思い浮かべながら書くのもまた楽しいものです。
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第88回 採譜 平成24年7月14日 会社の出勤時間が変わり、朝30分ほどゆとりができました。 そこで、出社前の喫茶店で古い録音の採譜をしています。 普段の記譜は、PC上の楽譜作成ソフトでやっています。 入力は面倒ですが、プレイバック機能で簡単に演奏のシュミレーションができ、おかしいところはすぐ修正できます。スコアを書けばそこからパート譜は展開できるし、いうことはありません。 しかし、仕事の前に喫茶店へ自前のPCを持ち込むわけにはいきません。 ここは昔ながらの手書きとしました。 コーヒー(今の季節はアイスコーヒーですね)をテーブルの片隅に押しやり、おもむろに五線紙を広げ、ICレコーダーをセット。イヤホンから聞こえる曲を、鉛筆と消しゴムを使って五線紙に移していきます。 暫く続けるうち、この究極のローテクがとっても快適になってきました。 まずお手軽です。紙と鉛筆と消しゴムだけで、ケーブルだモニターだという余分なものがありません。手書きですから、何度でも書き直しできます。特殊な記号や表意記号、連符の記譜も思いのままです。何連符だろうが、即座に書き込めます。もちろん、4拍子の曲に5拍分の音符を書いてしまって、「あれ?拍が合わない…」と青くなることもままありますが… 目的はもちろん、マンドリン編曲です。出来たものがどんな曲になるのは、今のところ想像するしかありません。この「想像する」ということが、今とても楽しいものになってきています。 頭の中ではすでに名編曲が完成しています。迷編曲とならないよう、知恵を絞っていきたいと思っています。
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第89回 記念演奏会 平成24年7月21日 船べりに5円玉を置いた人気俳優が、「5円置くんじゃないんだよ。○○円!」と相方に迫る宝くじのCM。思わず売り場を目指した方もおられるのでは? 買うのは街中にある宝くじ売り場のほか、発売銀行のATMやホームページからも買うことが出来るようです。 ところでホームページから買った場合、当選金はどうなるのでしょう? 聞いたところ、くじ現物はなく買った番号を後で知らせてくれる。当選金は、取引口座に振り込まれるそうです。 …う〜ん、現代的ですが、少々味気ないような気がします。 やはり買ったくじの番号と、発表された番号とを見比べて一喜一憂するのがささやかなお楽しみ、宝くじの醍醐味でしょう。 何の話かといえば、くじの話です。 その昔、演奏会場といえば1年前の同月1日が受付開始で、来た順、つまり早い者勝ちで日にちを指定していったものです。 そうすると、前の日から泊まり込む輩が出るのは人の常。 そこで、来た順にくじ引きをする方法が一般的になりました。 筆者も卒業演奏会会場抽選に臨み、気合いで2番希望日を確保したものでした。 今や演奏会場の抽選は、ネット上で行われます。 指定日までに希望日時をパソコンで入力すると申込みは終わり。 で、抽選日の翌日ネットを開けると結果がわかります。これだけ。 この電子抽選というやつがくせ者で、確かに公平なのでしょうが、どこの誰がやっているのか、何かもどかしさが残ります。我がアンサンブル青葉の演奏会場も、なかなか決まりません。 そんな中、昔風の抽選をしている会場がありました。11月分の抽選はこれからとのことです。 やったあ。もう間もなく、創立10周年記念演奏会の会場をお披露目出来ることと思います。今しばらく、お待ちください。
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第90回 今年も清正さんと合奏しました 平成24年7月29日 晴天の28日、九州大学マンドリンクラブ同窓会関東支部主催による「清正さんの指揮で合奏を楽しむ会」が開催されました。アンサンブル青葉からも九大出身の3名が参加し、九大OBで元全日本マンドリン連盟会長の清正さんの指揮で合奏を楽しみました。
演奏曲目:序曲「秋の綺想曲」、パッヘルバルのカノン、組曲「初夏に寄す」、月明かり(セレナータ)、グノーのセレナード、 嘆きのセレナータ、夜のタンゴ、真珠採りのタンゴ、叙情組曲「蝦夷」、アヴエ・マリア(アンコール) …この会では、普段あまり演奏されることのない曲を数多く取り上げています… 今年の参加は34名。昭和28年ご卒業の方からつい最近の卒業生の方まで、孫子ほども年の離れた会員がいらっしゃったり、親子で出演されたていたりと、KUMCの幅の広さを感じさせるステージ。お客様もOB・OGやご家族の方が多く、清正さんの軽妙な解説を交えた指揮と相まって、皆さん和気藹々と演奏を楽しんでいました。 清正さんと九大マンドリンクラブ同窓会関東支部の今後のご活躍を祈念いたします。
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第91回 暑中お見舞い申し上げます 平成24年8月5日 時は大暑。「大雨時行る」のとおり降る雨は、このところの暑さの下ではまさに慈雨です。 そしてこの季節に降るもう一つの雨。庭で、公園で、街路樹で、木々のあるところで降りかかるのは蝉時雨。 二つの雨に彩られ、季節は過ぎてゆっくりとゆきます。どうぞご自愛ください。 (第92回欠番)
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第93号 翼 平成24年8月12日 つばさ、と聞くと何をおもいうかべますか? 山形新幹線の列車名、あるいはアニメの主人公でしょうか。 先日、ふとしたことから「翼」という曲を知りました。作曲・作詞は邦人現代音楽家の第一人者だった、武満徹さん。 まずu−tubeでチェック、早速楽器屋で楽譜を探しました。 入手した楽譜は、混声4部(正確には8部)合唱曲でしたので、そこからメロディを写譜。日々口ずさんだり、マンドリンで奏でていたりしています。 現代音楽、というと何か難しい、複雑怪奇な音楽、というようなイメージがあります。 しかしこの曲は、シンプルなメロディと歌詞で、しかも私たちに夢と希望を与えてくれます。 ぜひ一度、聞いてみてください。
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第94回 個人的ベスト3 平成24年8月19日 お盆時期、いかがお過ごしでしたか? 筆者は震災復興のため何をしたらいいのか?と考えていました。やはり音楽を通して声援を送ることがいいのかな。 そこで筆者は個人的復興支援ソングとして、何曲か選んで愛唱しています。 今回、そのベスト3を発表します。 まず、第3位は「花は咲く」 被災地出身の岩井俊二さん・菅野よう子さんの作詞・作曲により、失われた故郷への思いとそこで懸命に生き抜く人々の復興への思いを歌い上げています。 次いで、第2位は「明日へのマーチ」 桑田佳祐さんの作詩・作曲によるこの曲、以前にもこのMember’s Voiceのページでも取り上げました。 桑田さんの最新アルバム「I love you」に収録されたこの曲、改めてじっくり聞いてみますと、かの地の復興を願う桑田さんのエールが、彼独特のリズムの中にちりばめられています。「目覚めよ かの地に 命の灯を絶やさず」と歌う歌詞には、思わず涙ぐんでしまうほどでした。 そして、輝ける第1位は!! 武満徹さんの「翼」です。 前回取り上げたこの曲、作られたのは1982年で、震災とは直接関係はありません。 しかし、「空を見上げていてほしい。見上げた空には、まさに「希望」と「自由」がある…」と歌うこの曲は、伸びやかな曲想と相まって、まさに懸命に復興に取り組む方々への声援に相応しいと思います。 筆者が勝手に選んだ復興支援ベスト3。皆さんもぜひ一度お聞きください。そして、復興へ携わるすべての方々への励ましとなることを願ってやみません。
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第95回 音楽家の愛した数式 平成24年8月26日 Comma = 23.46 cents これは芥川也寸志さんの著書、「音楽の基礎」に出てくる数式です。 音楽の本に何で数式が?…と思われる方も多いことでしょう。 最古の音程理論を作ったのはピタゴラスといわれています。 この式は、そのピタゴラス音律の構造的な欠点(というべきか)の「ピタゴラスコンマ」を表すものです。 「ピタゴラス音律」はモノコルド(一弦琴)を用い、弦長比2:3のとき得られる5度音程を重ねていくことで全音階の全ての音を導いていく音階です。(ちなみに全弦長が半分(弦長比1:2)のときオクターブの音が得られます) ところが、この5度音程を繰り返すことによって得られるオクターブは、実は正確なオクターブではありません。 弦の長さの比は振動数(=周波数)の比になります。5度音程とは、基準となる周波数の
をべき乗していくことです。しかし、 のべき乗はオクターブ関係を規定する のべき乗と一致することはないので、正確にオクターブ関係にある音はできず、僅かにずれているのです。 そのずれとは、どの位?…ということを表したのが、この式の左側。 オクターブは振動比1:1(ないし2:1)ですが、ピタゴラス音律は = 1.01364…で、協和音ではありません。 そして、現実の音としてどれだけずれているか、を表したのが、式の一番右に書かれたセント値。 その値は = 23.46 cents。全音が200 cents、半音が100 cents なので、23.46 cents は半音の 程もずれた音になります。これがピタゴラスコンマと呼ばれるものです。 マンドリンで上下の弦がこんなにずれたら、気持ちが悪いですよね〜。 ピタゴラス音律(純正律も含む)は美しい和音を作る上で欠かせないものですが、実際に使うとなるとこのような制約があるのです。 この点を補正しているのが、私たちが広く普通に使っている平均律です。 オクターブを単純に12で割り、全音と半音の比は2:1に固定しています。 この結果、協和音はやや濁ってしまいますが、ピタゴラスコンマのような問題は発生せず、転調・移調は自由。鍵盤楽器や、私たちが使用するギター・マンドリンにぴったり協和するのです。
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第96回 写譜あれこれ 平成24年9月2日 演奏していますと、いろいろな譜面を弾くことになります。 市販の印刷されたもの、今は少なくなりましたが手書きのもの、最近では楽譜作成ソフトで作成のものが多くなりました。 筆者が学生の頃は、概ね手書きでした。 演奏会の曲目が決まりますと、上級生からスコアが渡され、下級生がパート譜へ手書きで写していたものです。五線譜が印刷されたトレーシングペーパーの原紙にインクで書きこみ、それを青焼きコピーして使っていました。 手書きのパート譜は、写譜した学生の個性が表れていて味がありました。とはいえ、そこはやはり譜面ですから、見やすい綺麗な譜面(概ね女子学生が写譜した譜面でしたが)が人気でした。 ところで、「見やすい譜面」とはどういうものでしょうか? それは、音部記号・調号・音符・臨時記号・強弱などがバランスよく、見やすく配置されている譜面。また、小節の物理的な長さが適切で、かつ小節の中の拍が読みやすい譜面、ではないでしょうか。 さらに譜面が複数ページにまたがっている場合、譜めくりタイミングがとりやすい譜面…譜めくりの前後にフェルマータや長休符などが入っていればいうことはありません。 最近は楽譜作成ソフトを使い、簡単にスコアからパート譜まで作成できてしまいます。 ソフトのおかげで形が悪い音符、紛らわしい記号にはお目にかからなくなりました。 しかし、できた譜面が奏者にとって見やすい譜面か?ということは、案外見落とされている事かもしれません。 楽譜作成ソフトは設定によっては勝手にスペーシングしてしまい、音符が詰って団子になっていたり、逆にスカスカで間延びしたりしています。また、単に音符を並んでいるだけで、その小節の拍がわかりにくくなっていることがあります。そこを演奏者に見やすい、綺麗な譜面に調整してあげましょう。 筆者も楽譜作成の時は、現物を印刷して確認し、上記のような点は調整にするように心がけています。
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第97回 少年の笛 平成24年9月15日 伊集院 静さんに、「少年譜 笛の音」という短編があります。 孤児であった少年が、養父母の慈愛と和尚の薫陶を受け、和尚の友人の植物学者の知遇を得て大きく育っていく、という物語です。 この物語の重要なアイテムに横笛が出てきます。 少年が植物学者の知遇を得たのは、養父が作ってくれた横笛がきっかけであり、初恋の人と心を交わしたのも、少年が吹く横笛がきっかけでした。 この横笛はどんな笛なのでしょうか? 山仕事をする養父が作ったものですから、いわゆる「篠笛」…竹を切り、歌口と指孔を開けたもの…でしょう。 篠笛の指孔は、普通6ないし7個です。 しかし少年は、赤児のときの事故がもとで右手が少し不自由でした。そこで養父は、少年のため特別に5つ孔の横笛を作っていたのでした。 5つの孔で、どれだけ調子が出るものなのでしょうか? 調べてみますと、普通の篠笛は歌口から第1孔(歌口から一番遠い孔)までが長さ28〜29cm、音域は2オクターブ半程度。フルートより1オクターブ程高い音が出るようです。 また全ての孔をふさぐ音(筒音といいます)はあまり使われず、第1孔を開放した音が基本音になります。 筆者は笛の運指についての知識がありませんが、7孔の篠笛でそのうち6孔を使うのであれば64音、6孔のもので32音、5孔のもので16音出ることになります。また、半音は孔の半開や息の吹き込みを微妙に調節して出すようです。 少年が笛に接したのはまだ5歳の時。養父は、少年に合わせて、管の長さを短めに作ったことでしょう。 歌口から第1孔までが26cm程度であったとすれば、これはほぼピッコロの長さです。細身でやや高い音のでる、2オクターブ程度の音域があった横笛、なのではないでしょうか。 物語は、成人となった少年が、初恋の人の墓前で静かに横笛を吹くシーンで終わります。 そのとき吹いた曲は、一体どんな曲なのでしょうか。ぜひとも聞いてみたい気がします。
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第98回 メンバーが施設を訪問しました 平成24年9月23日 快晴の17日、アンサンブル青葉のメンバー8名が介護施設「ボンセジュール江田」を訪問しました。今年も敬老の日イベントにお招きいただいての訪問です。 ボンセジュール江田への訪問も今年で5回目となります。会場となった食堂には職員の皆さんの手ですっかり用意がされていました。そして、開演15分前にはもうご入居の皆さんがお集まりいただいていまして、楽しみにしていただいていたことが伝わってきました。 曲は懐かしのメロディを中心に16曲。まずは演奏で、越後獅子の唄・秋桜(コスモス)を聞いていただきました。 そして、みなさんお楽しみの歌の時間。歌詞カードが配られ、マンドリンの合奏に合わせて「里の秋」「あざみの歌」など13曲を歌いました。 最後に名曲「影を慕いて」をハーモニカが加わった演奏でお届けしたところ、アンコールをいただいて再演。2度目の演奏時には、皆さんの大合唱が加わって会場が一体となって終演となりました。
ボンセジュールの皆さん、来年もまたお目にかかりましょう!
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第99回 音楽の持つ力 平成24年10月1日 第97回で篠笛について触れましたが、小説や映画の中で音楽がポイントになっている作品はたくさんあります。 その数多の作品の中から一つ選べと言われれば、何といっても「ビルマの竪琴」なのではないでしょうか。 太平洋戦争末期、英軍の包囲下に陥った日本軍の一隊。隊は歌を歌って応戦準備を偽装しました。 いよいよ戦闘開始かというその時、英軍方からわき起こった歌声に日本軍の足は止まりました。その歌は、ついさっきまで自分たちが歌っていた「埴生の宿」ではありませんか。 どちらからともなく歩み寄った日英の兵士は、やがて一団となって「埴生の宿」を歌うのでした…。 「ビルマの竪琴」冒頭の有名なシーンです。 ひとつの歌がきっかけとなって諍いが収まる…音楽の持つ不思議な力です。 今の時代、この不思議な力がますます発揮されますよう、そして私たちの活動がその一助となることを願ってやみません。
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第100回 灘高式勉強法 平成24年10月7日 灘高、といえば東大進学率No1の超有名校です。そこでの勉強法が、音楽と何か関係あるの?…と言われそうですね。 先日「<銀の匙>の国語授業」という本を読みました(岩波ジュニア新書709 ISBN 978-4-00-500709-7)。著者は元灘高の国語教諭、橋本武さん、御年100歳。参考書「灘高式勉強法(国語)」を執筆された方です。 この本は、橋本さんが灘高で実践されていた「『銀の匙(中勘助著)』を国語教科書として、3年間かけて徹底的に読み込んでゆく」という授業を回顧して書かれたものです。その授業の根底にあったのは「生徒の記憶に残る、楽しい授業を実践したい」という思いでした。 それは「決して大学入試に偏重することなく、本当の基礎力をつける勉強をしたい」との理想の実現でもあり、「灘高式勉強法」という参考書は、その理想に基づいて書かれたものです。 ところで、その「勉強法」は音楽に通じるものがあると思えるようになりました。 例えば、私たちはなぜ国語を勉強するのでしょう、という基本的な問いかけに応えている一節を紹介します。 「(前略)好きになればそれでいいと思われるかもしれない恋愛感情でも、互いの努力なしに成り立つものではありません。国語に対する努力が、国語とあなたをかたく結合してくれます。正しい努力は、目の前に即効があらわれなくても、けっしてむだにはなりません。(後略)」 ここで「国語」を「音楽」に置き換えてみたらどうでしょう。 そして、国語勉強の7つのポイントとして「読む」「書く」「話す」「聞く」「見る」「味わう」「集める」を挙げています。 例えば「見る」「味わう」は国語教材に戯曲やシナリオ、謡曲や狂言などが出てきたら実際に舞台を見てみる。美術に関する評論を読んだら、実際に美術館へ行ってその作品を鑑賞してみること。 そして、国語の勉強で一番大切な基礎は、「読む」「書く」ことと言います。 まず、古今のいろいろな本を読む。次いで書く。読んだ本の読書感想文を書く。日記をつける。詩や歌を作る。 これを繰り返すことで、慣れる。うまくなる。「どんな名人でも、繰り返しているからこそ名人になれる。」 ここでも、「国語」を「音楽」に置き換えてみたらどうでしょう? 大いに音楽に通じるのではないでしょうか? 私たちにとって身近な存在である「音楽」。「音楽」ともっと広く、深く付合っていくヒントがここにありました。 興味ある方の一読をお勧めします。
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第101回 校歌(その1) 平成24年10月14日 先日小学校の同窓会があり、出席しました。 すっかりおじさんおばさんになったかつての小学生が集まり、担任の先生のご出席もいただいて楽しいひと時を過ごしました。 会場にはかつての卒業アルバムや当時の写真、現在の小学校の様子などが掲示されていました。 当時と現在で、全く変わっていないのが本校舎・新校舎(現在ではA棟・B棟というようです)。すっかり様変わりしたのが学校周辺の様子。当時はなく、今あるものが体育館でした。 …と、もうひとつ、なかったものがありました。それは、校歌です。 小学校は造成地に作られた新しい学校でした。鉄筋コンクリート4階建ての本校舎がようやく完成したばかり、体育館もプールもなく、それどころか急増する児童に教室がなく、校庭の半分にプレハブ建ての校舎を建ててしのいでいました。 それでも少しずつ整備されていき、在学中に音楽室を含む新校舎が、そして校章が制定されました。 しかし残念ながら卒業までに校歌は制定されず、卒業式では横浜市歌を歌ったことを憶えています。 そうか、校歌ができたのか…と作者をみると、作詞こわせたまみ、作曲中田喜直とあります。いささかびっくりしました。 作詞のこわせたまみ氏は1934年生まれの詩人、絵本・童謡作家。サトウハチロー主宰の木曜会、6の会を経て日本童謡協会に入会。絵本・童話の著作200冊を超える方です。 また、中田喜直氏は1923年生まれ、「ちいさい秋みつけた」「めだかの学校」「夏の思い出」「雪の降るまちを」等で知られる、わが国の20世紀を代表する作曲家です。 どういう経緯でこのお二人に校歌を依頼したのかはわかりませんが、将来を担う子供たちのためにいい校歌を!と先生方・父兄のご尽力があったことでしょう。 まだ小さい後輩たち、ぜひこの校歌を歌い継いでいって下さい。君たちが僕ら位の年になった時、きっと校歌の込められた先生・保護者の方の思いがわかることだろう。そして、その年まで校歌を一緒に歌える友達がいることに感謝するだろう。 そう思って、パネルの前を離れました。
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第102回 校歌(その2) 平成24年10月21日 考えてみると、校歌というものはその学校に関係ある人…在校生・教職員の方しか知らないものですね。 その学校の校風、景色を表し、卒業生にとってはまさに自分の青春時代に帰れる、そんな魔法の歌なのです。 筆者も自分の母校…中学・高校・大学の校歌は今も歌うことができます。 さて、前回取り上げた小学校の校歌。卒業後制定されたもので、筆者にとって母校の初めてお目にかかる歌です。改めてネットで見てみました。 すると、『空が ひかりが 流れる雲が…』と、いかにも小学校の校歌にふさわしい歌い出し。ここに歌詞を全て載せることはできませんが、作詞者、絵本・童謡作家こわせたまみ氏の面目躍如たる、温かく希望が膨らむ歌です。 ところで児童数の増加から小学校が新設され、今、筆者の住所からはそちらの学校に通うことになっています。 その学校の校歌を調べてみますと、歌い出しがだいぶ異なります。 『(1番)ぼくら○○○の子…』、『(2番)わたしたち○○○の子…』と、1番と2番で男女児童が掛け合うようになっている、たいへんユニークな歌です。4番まであり、4番を全員で歌うようになっています。 作詞作曲者はわかりませんでしたが、「みんな仲良く!」という、思いが伝わってきます。 自分は歌わなかった、そしてもしあと数年遅く卒業していたら歌ったかもしれない二つの校歌。そこには児童・生徒の健やかな成長を願う、父兄・先生方、そして作者の思いが詰まっていました。
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第103回 メタルテープ 平成24年10月29日 「『L’Arlēsienne』の全曲を探しているんだけれど、音源ない?」と友人から聞かれました。 Youtubeでも全曲はアップされてないとのことで、持ってなければCDショップへ行くといいます。 「いや〜あるはずだよ」 その曲名を聞いたとたんに思い当ったのは、押入れのどこかにあるテープでした。 学生時代にエアチェックしたものをよく聞いていたので、すぐに思い当ったのです。 で、休日埃まみれになって、押入れからテープを発掘しました。 「いや〜古い!」我ながらびっくりです。録音1982年4月26日午前8時、とあります。 テープは46分のメタルテープ。 メタルテープ? 今は知らない方が多いことと思います。 カセットテープには何種類かあるのですが、その中でテープ磁性体にメタルを使用し、録音周波数特性・ダイナミックレンジを大幅に改善したテープです。…と言っても、さっきネットで見たもので、実は筆者もよくわかりません。 ただ、録音・再生時にはカセットデッキのテープセレクターを「メタル」に設定する必要がありました。 今はミニコンポしかなく、当然テープセレクターなんぞありません。俗に「メタルテープを普通のカセットデッキで再生すると、ヘッドが削れる」と言われていますが、なに、一回くらい再生したところで問題はあるまい。恐るおそるスイッチを入れてみると、これがきちんと再生されました! むしろ問題は、友人にどうやって渡すか、でした。 ただ、これは簡単に解決できます。 まず、テープをデジタル化してやります。いろいろな方法があるでしょうが、手っ取り早いのはオーディオ・ラインアウトとICレコーダーのライン・インをケーブルで繋いで、ICレコーダーで録音することです。 一旦ICレコーダーに録音できればしめたもの。後はPCに接続し、そこからCDに焼いてあげれば完成です。 欠点は、テープからICレコーダーへの録音には全曲流すので、それだけ時間がかかること。 でも、曲はL’Arlēsienneです。特にSuite Nr.2のIntermezzoでは、オーケストラではあまり使われないアルト・サキスフォンの甘い響きが全編を流れます。久しぶりにクラッシックの名曲を堪能することになりました。 |
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第104回 演奏曲のご紹介 平成24年11月3日 霜月に入り、寒さが増してきました。そして、創立10周年記念コンサートまで、あと3週間となりました。 今週から3回に亘り、演奏曲目をご紹介してまいります。 Plink,
Plank, Plunk ! 近代アメリカを代表する作曲家の一人、L.アンダーソンの作。アンダーソンは、音によって巧みに情景を描写した曲を多く作曲しています。 曲名のPlink,
Plank, Plunk !は「ぽろん、どすん、ばたん!」という擬音語で、軽快なテンポ・リズムの曲のそこここに、Plink, Plank, Plunk !と入ります。 アンサンブル青葉では何度も演奏してきている、おなじみの曲。 ドン・ジョバンニのセレナーデ モーツアルトの傑作オペラ、稀代の放蕩者を描いた「ドン・ジョバンニ」。その中の有名なセレナーデです。 曲は、ドン・ジョバンニが新たな女性を誘惑しようと彼女の窓辺の下で歌う場面で演奏されます。そして、この曲にはもともとマンドリンが伴奏で入っているのですね。 アンサンブル青葉が神奈川マンドリンフェスティバル(KMF)に初出演した時演奏した、思い出深い曲です。 ユーモレスク Humoreske 「ユーモレスク」は8つのピアノ曲からなっていますが、もっとも有名なのがこの第7番です。 作曲者ドボルザークが熱心な鉄道ファンだったことは有名です。プラハでの住まいはプラハ中央駅の近くであり、彼がアメリカに来たのも、ひとつにはアメリカの汽車に乗りたかったからだとか…。 このユーモレスクの曲想も、汽車に揺られている時思いついたものと言われています。そういえば、出だしのリズムは、何となく汽車の揺れを連想させますね。 マンドリン編曲は日比野俊道先生です。ちょっと耳を澄ませてみてください。どこかで聞いたことのある、あの曲が聞こえてきますよ。 (続く)
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第105回 演奏曲のご紹介(その2) 平成24年11月10日 この間までクールビズで通勤していましたが、今や冬の背広上下にセーター。そのうちすぐに外套が欲しくなりそうな今日この頃です。 さて、演奏曲ご紹介の続きです。 エンジェル・コーラス Angel Chorus 「この曲は、宇宙の空間から美しい天使の歌声がきこえてくる・・・というイメージで作曲しました」…作曲者藤掛廣幸さんの言葉です。 オリジナルは2005年開催された世界デザイン博の会場入口のDream Tubeのために作られ、のちマンドリンオーケストラ曲にアレンジされました。ハ長調の7つの音、Do−Re−Mi−Fa−Sol−La−Siのみで♯も♭も使われていない、めずらしい構成です。 美しい天使達の歌声を、お楽しみ下さい。 毬つき遊び Juego de Pelotilla(手鞠唄) 子どもの頃、少女たちのお遊びといえばお手玉・おはじき・あやとりに毬つきだったように憶えています。毬はさすがにゴムまりでしたが、てん・てん・てんと毬をつき、時々足を回したり、最後にはスカートの中に抱え込んだりしていましたっけ。 低音系が刻む素朴なリズムの中に、そんな懐かしい景色をぜひ思い起こしてみてください。 パリの操り人形 Puppet on a String ギリギリとネジを巻かれて起き上がった操り人形。やがてウッドブロックの音に合わせてコトコト歩いて行くのですが、どうもぎこちない。途中ホイッスルの音に滑ったり転んだり…。それでも調子が出てくると大はしゃぎ、舞台の上を所せましと歩きまわります。 軽快(?)な操り人形の動きを、どうぞお楽しみください。 (続く)
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第106回 演奏曲のご紹介(その3) 平成24年11月17日 記念演奏会もいよいよ間近に迫りました。 曲のご紹介も佳境です。 マンドリナータ 19世紀の後半のイタリア。マンドーラという楽器の改良がなされ、この新しい楽器…私たちが弾いている近代マンドリンです…を使った演奏が盛んになってきました。新しい曲が次々と発表され、20世紀初頭にかけてマンドリン音楽は一気に開花したのです。 本曲の作曲者エルメネジルド・カロシオが活躍したのは、まさにこの時期にあたります。マンドリン合奏曲、ギター独奏曲、マンドリン・マンドラ・ギターの三重奏曲などの曲を数多発表し、またマンドリン楽譜誌を主幹するなど大いに活躍しました。 この「マンドリナータ」は当時のイタリアマンドリン合奏曲の典型的なスタイルを持っており、その昔の伸びやかな雰囲気をよく伝えてくれます。 「スペインの印象」より第4楽章「ボレロ」 作曲者ブーシュロンはフランスの人。彼は、南国であり情熱の国である隣国を4つの曲にまとめ、組曲「スペインの印象」を発表しました。演奏しますのは、このうちの第4曲「ボレロ」です。 「ボレロ」はスペインの伝統舞曲。カスタネットの伴奏に乗った3拍子で早いテンポが特徴です。しばし南国の情熱をお楽しみください。 “月の砂漠”の主題によるボレロ風小幻想曲 皆さんもよくご存じの「月の砂漠」。口ずさんでみますと、いかにも伸びやかな光景が浮かんできます。 その主題を巧みに取り入れたこの曲。主題は同じものでありながら、全く別な曲になっています。お聴きになる皆さんは、どのような光景を思い浮かべるのでしょうか。 曲目ご案内はここまでです。実はあと2曲ありますが、ここに書くスペースがなくなってしまいました。 残りの2曲はプログラムに載っています。では、会場でお待ちしています!
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第107回 創立10周年記念演奏会を開催しました! 平成24年11月23日 お天気に恵まれた11月22日、創立10周年記念演奏会を開催しました。 会場となったアートフォーラムあざみ野には、100名を超えるお客様にご来場いただきました。 ステージは定刻に開始。最初の曲、Plink,
Plank, Plunk !を演奏しますと早速大きな拍手を頂きました。 最初は緊張気味だったメンバーもこれで一気に波に乗り、ドン・ジョバンニのセレナーデ、ユーモレスクと次々に曲をこなしていきます。 マンドリンオリジナル曲、エンジェル・コーラスと毬つき遊びは続けて演奏。ちなみにエンジェル・コーラスはお客様アンケートで評判が高かった曲です。 第1部最後はパリの操り人形 Puppet on a String。ギリギリ・トライアングル・スライドホイッスル・ウッドブロックといったパーカッションが曲を賑やかに盛りたてました。 休憩を頂いたあとの第2部は、マンドリンオリジナル曲でスタート。マンドリナータでマンドリン本来の美しい音色を、「スペインの印象」より第4楽章「ボレロ」で一転華やかな音色を楽しんでいただきました。 “月の砂漠”の主題によるボレロ風小幻想曲は赤城淳先生のオリジナル曲です。練習に苦労しましたが、そのせいあって難易度の高いこの曲をよく演奏することができました。 幻想曲から変わって、リストの「愛の夢」第3番。編曲は日比野俊道先生です。フィギュアスケート浅田真央選手の、昨シーズンのテーマ曲でした。この曲も銀盤に舞う浅田選手のように、華麗なマンドリン本来の弦の響きを楽しんでいただきました。 演奏会も早いもので、もう最後の曲です。 最後はモリコーネのNuovo
Cinema Paradiso。編曲は内藤正彦さんです。 親しみやすい、美しいメロディなのですが、譜面はとんでもなく難しいのです。メンバー一同は、しかしこの曲に一年間取り組んできました。その甲斐あって、全3楽章のこの曲で、見事にあの映画の世界を表現することができました。 曲が終わってアンコールをいただきました。用意していたのは、浜辺の唄。成田為三の名曲を中野二郎先生がアレンジしたものです。浜辺に打ち寄せる波が去るように、静かに曲が終わって、またアンコール。熱心な拍手をいただきました。そこでPlink, Plank, Plunk !再演し、お客様の温かい拍手のうち終演しました。 今回の演奏会は、多くの皆さまのご協力により無事終了することができました。 会場の方々、裏方を担当いただきました方々、そしてご来場くださいましたお客様方、どうもありがとうございました。
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第108回 創立10周年記念演奏会 平成24年12月1日 去る11月22日開演しました「創立10周年記念演奏会」の様子をご覧ください。
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第109回 10周年記念演奏会アンケート 平成24年12月8日 10周年記念演奏会で皆様からいただいたアンケート、集計が終わりました。集計した事務局へのインタビューです。 −10周年記念演奏会、お疲れさまでした。 「まず、当日ご来場下さいましたお客様に改めて御礼申し上げます。最後まで熱心に聞いて下さり、暖かい拍手とご声援をいただきました。どうもありがとうございました。」 −アンケートの集計結果を教えてください。 「80歳代から10歳代まで64名の方々からご回答いただきました。内訳は男性25名・女性34名(記載のない方5名)でした。」 −一番人気のあった曲は何でしょうか。 「複数回答の○の数で、『パリの操り人形』が28票で一番でした。次いで『エンジェル・コーラス』と『ニューシネマ・パラダイス』が共に22票、以下『“月の砂漠”の主題によるボレロ風小幻想曲』が20票、『ユーモレスク』と『愛の夢』が共に17票でした。」 −各曲に対する感想はいかがでしたか。 「やはり『ニューシネマ・パラダイス』に一番多くコメントいただきました。『映画のシーンを思い出しました』『愛のテーマ(第3楽章)がgood!学生時代の思い出が…』とあるなど、お客様の琴線に触れる曲であったようです。演奏についても『各パートの良さが出てすばらしい曲になりました』との言葉をいただきました。」 「また、評価の高かった曲が『エンジェル・コーラス』です。学生時代にマンドリンをやっておられた方から『弾きたい!』とあったり、何人もの「初めて聞いた」という方から『良かった』『聞きほれました』等とコメントをいただいています。」 −その他の感想などはいかがですか? 「選曲、構成・進行などは好評でした。開催曜日・時間について、『土日の午後がいい』というご意見をいただきました。実は、あざみ野の会場は人気が高く、今回は残念ながら土日での日程が組めなかったのです。次回はぜひ土日に開催し、より多くのお客様に来ていただけるようにしたいと思います。」 −今後の活動についてお伺いします。 「来年5月に『かやの木コンサート』、6月に『神奈川マンドリンフェスティバル』へ出演します。今回お寄せいただいたご意見・ご感想は、これらへの練習や次回の演奏会に活かしていきたいと思います。今後ともアンサンブル青葉をよろしくお願いします。」 −ありがとうございました 「ありがとうございました」
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第110回 基礎練習 平成24年12月16日 さて記念演奏会も終わり、頼まれていた舞台も勤め上げ、筆者にとって今年のスケジュールは無事終了です。次回の曲が決まるまでは、お休み期間かな〜。 ふと指を見ると、左の指先が固くなっています。 せっかく練習で指を固めたのに、このまま弾かないとまた元の木阿弥…。 ということで、改めて基礎練習をすることにしました。 必携はメトロノーム。 まず、音階練習です。ハ長調をメトロノームに合わせて繰り返します。初めはゆっくりと、次第にテンポを上げていきます。 次いでこれを様々な調でやります。ト長調、ニ長調、イ長調、ホ長調…とやっていきます。 その次はダウンアップの練習。初めは4分で、次いで8分で、そして3連符で、16分で…と細かくしていきます。 筆者が重要視しているのは、3連符です。普通3連符はダウン・アップ・ダウンで弾きますが、そこを敢えてダウンアップの繰り返しで弾きます。ダウンアップが均等であれば、きれいな3連符が聞こえます。 こんな単純な練習ですが、自分の音がきれいに聴こえるものはとても気持ちのいいものです。 最後に、こんな言葉を… 「たとえばハ長調のスケールだが、このスケールを弾くのはもっとも難しいのである。それを真にレガートで、ある強さと速さで、しかも任意のリズムで、望ましいタッチで弾くのは音楽の勉強のなかでもっとも難しいことなのである。」 −バハマン
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第111回 日本語入力 平成24年12月22日 今を去るン10年前、筆者が新入社員で入社した会社には大型のオフィスコンピューターがありました。 形は大きいが能力は今の電卓並み、日本語の漢字入力など無く、カタカナで表示されるのがやっとのものでしたが、新入社員が面食らったのはキーボードです。いろは47文字がアトランダムに配列されていて、どこに何の文字があるか分かりません。 しかし仕事で使う以上、覚えないわけにはいきません。「習うより慣れろ!」をそのままに練習していった結果、今では考えるより指が憶えていて、筆者の日本語入力は今でもカナ入力です。 そんな筆者が、今ローマ字入力と格闘中…原因は先日手に入れたタブレット端末です。 なるほど小型軽量、またスマホほど小さすぎない画面は、老眼の進んだ目には優しい。 なによりネットにつながるのが早い!モバイル用に使っていたPCは、もう出番がなくなるでしょう。 そんな「いいとこずくめ」のタブレット、唯一の弱点(?)が日本語入力でした。 日本語入力はタッチパネルの画面上に表示される「QWERTYのローマ字」入力、「50音順のカナ」入力、「手書き文字」入力から選択します。 このうち「50音順のカナ入力」は、普通の106キーボード配列に慣れた身にはかえってややこしくNG。「手書き文字入力」も悪くはないのですが、書いていると自分の悪筆が目についてこれもNG。やはりローマ字入力を選ぶのが一番のようです。 こうしてタブレット入力は、やむなくローマ字入力となりました。 入力していて困るのは、日本語をいちいちローマ字(アルファベット)に翻訳してから入力すること。また日本語で必須の促音・長音などの入力方法がとっさにわからない。106配列なら、キーボード上にあるのに! もっとも文字変換自体は最近のOA機器の例にもれず、一言入力すれば変換候補がたくさん表示されます。おかげさまで入力のスピードもだいぶ上がってきました。一安心です。 でも、PCでの入力を全てローマ字入力へ変えるのか?…この文章をカナ入力しながら、「いやいやまだ先のことよ…」とつぶやいております。 (第112回欠番)
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